【二次元トラベルごはん】家にあるもので「芋粥」を再現
みなさんこんにちは、しょっちゅうキッチンで好き勝手やってるアキオカ アヤカです。
なんやかんや続いてきた「トラベルごはん」でございますが、トラベル先は現実世界だけとは限りません。
今回ははじめての二次元トラベルごはんということで、芥川龍之介の小説「芋粥」に出てくる芋粥を再現してみます。さてどうなることやら。
上記に当てはまる方もそうでない方も、ぜひお立ち寄りください。
芋粥(小説)とは?
まず、芥川龍之介の短編小説「芋粥」(大正5年発表)のあらすじをば。
時は平安時代、下級役人として働くさえないオッサン・五位は「芋粥を飽きるほど食べてみたい」というささやかな夢を持っていました。
彼の噂を聞いた藤原利仁公は、「そんなら、ウチの領地で芋粥をたんと御馳走してあげよう」と五位を越前国敦賀に連行…もとい、招待します。
無理やり敦賀の屋敷に連れてこられた五位が見たものは、庭先に積み上げられた数千本もの山の芋と巨大な釜でぐつぐつ煮られている大量の芋粥でした。
そして朝食の時間、一斗も入ろうかという提(ひさげ)になみなみと注がれた芋粥が五位の前に運ばれてきました。(※)
※…一斗は18リットルくらい、提は三人官女が持ってるヤカンみたいなやつのこと
で、芋粥(料理)ってなんやねん
小説には、芋粥について次のように説明されています。
芋粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛(あまづら)の汁で煮た、粥の事を云ふのである。
ようするに、小さく切った山芋を甘葛で煮ればいいわけですが…
令和の一般家庭のキッチンには、甘葛なんてありゃしません。
甘葛はアマチャヅル?ツタ?の樹液を煮詰めた甘味料と言われていますが、砂糖が日本に伝わると姿を消してしまいました。
甘葛を再現したサイトでは、次のように解説されています。
・淡い飴色
・飴状の粘り気があり、すくうと糸を引く
・雑味のないすっきりした甘さは、砂糖ともはちみつともメープルシロップとも異なる
・糖度はおよそ75%(はちみつとメープルシロップの中間くらい)
家にあるもので代用するとなると…バニラエッセンスはなんか違う感じがするし、やっぱりメープルシロップかはちみつあたりかな?
いや、今うちにあるはちみつはちょっとクセの強い栗はちみつやしなぁ。
…そういうわけで、とりあえずメープルシロップと砂糖で再現してみます。
芋粥を作ってみよう
多くの方が芋粥を再現されていますが、正確な作り方がわからないためかなりバリエーションがあるようです。
そういうわけで、我流です!
〈材料(1人分)〉
山芋…10㎝くらい
水…適量(かぶるくらい)
メープルシロップ…大さじ1~
砂糖…大さじ1~
今回は1人分くらいを想定していますが、芥川ワールドに浸りたい場合は多めでどうぞ!ただし食材を無駄にしない程度にね!
山芋を切る
山芋の皮をむき、小さめの薄切りにして小鍋にいれます。
煮る
ひたひたになるくらいの水とメープルシロップ・砂糖を加えて火にかけます。
鍋が煮立ったら、山芋がやわらかくなるまで弱火~中火で煮ます。
粥っぽくなってきたら、味見しながら甘味を調整しましょう。
芋粥実食!
どうぞ、遠慮なく召し上がって下され。遠慮は無用ですぞ。
山芋のシャクシャク感がなくなるまでしっかり煮込んであるので、穀類のお粥とそっくり…とまではいかないもののいくらか近い食感になっています。
めちゃくちゃ甘いわけではなくほんのり甘い程度の薄味ですが、砂糖などなかった平安時代はこのレベルでもかなりの贅沢品だったようです。
もっとも、「さあ鍋一杯食べろ!」と言われたら五位でなくてもげんなりすると思いますが…
さいごに
今回はじめて二次元世界のトラベルごはんに挑戦しましたが、ほかにもいろいろやってみたい二次元ネタがあります。
そのうち、アニメ飯とかもやりだすかもしれません…どこへ行くんやこのブログ。
↓そうそう、これもけっこう好きですよ。