【番外編・石見銀山】さざえの殻で螺灯づくり!怪談シーズンにもぜひどうぞ…
みなさんこんにちは、しょっちゅうキッチンで好き勝手やってるアキオカ アヤカです。
なんやかんやで夏休みシーズンなので、今回は番外編に挑戦してみたいと思います。
この前松江おでんに入れたさざえの殻で、島根にまつわる小道具を作ってみましょう。
さざえの殻が余った
怪談話を盛り上げたい
夏休みの工作ネタが思いつかない
上記に当てはまる方もそうでない方も、ぜひお立ち寄りください。
螺灯(らとう)とは?
螺灯は、かつて石見銀山で働いていた人たちが間歩(まぶ、坑道のこと)の中で使った照明道具です。
石見銀山が栄えていた中世~江戸時代、坑道内での作業は大きな危険を伴うものでした。
真っ暗な間歩で働く鉱夫たちは、さざえの殻に食用油や松脂などを入れた螺灯で手元や足元を照らしていました。
また、螺灯の火は坑道内の酸素濃度チェッカーとしても重宝されていたとか…。
石見銀山で算出された良質な銀は「ソーマ銀(※)」と呼ばれ、明やオランダなどにも輸出されて江戸期の日本の経済発展に貢献しました。
※石見銀山周辺の地名「佐摩」が転訛したものとされる
島根県大田市のゆるキャラ「らとちゃん」
石見銀山がある島根県大田市には、螺灯をかたどった公式キャラ「らとちゃん」がいます。
恥ずかしがり屋だけどいったん火がつくと底抜けに明るくなるらとちゃんは、石見銀山の鉱夫と同じかっこうをしています。
螺灯を作ってみよう
今回は、螺灯を忠実に再現した食用油(液体)入りバージョンとロウソクを使ったバージョンの2種類を作ってみます。
〈材料〉
さざえの殻(中をよく洗って乾かしておく)…ある分だけ
灯芯(ロウソクの芯など)…殻の個数に合わせて準備
食用油…適量
ロウソク…さざえ1個につき2本(さざえとろうそくのサイズによって調整)
小石、または砂…適量
殻の奥に小石を詰める
今回は、さざえの殻を3個を使います。
殻の奥に、きれいに洗った小石(鉢底用)または砂をつめておきます。
この工程を踏むことで、ロウや灯芯を扱いやすくなります。
ロウソクを溶かす
ロウソクを適当に折って耐熱ボウルに入れ、湯せんにかけて溶かします。
ロウが溶けたら灯芯を引き上げ、ロウがすべて溶けたら火を止めます。
引き上げた灯芯の粗熱が取れたら、殻のサイズに合わせて切ります。
ロウソクの灯芯を再利用できない場合は、タコ糸などを適当な長さに切って使いましょう。
ロウを流し込む
灯芯の端をわりばしなどに挟み、もう一方の端が殻の中にぶらさがるように置きます。
溶けたロウを静かに注いで、冷めるまで放置すれば完成です。
ロウが固まると、こんな感じになります。
食用油を入れる
殻の中に灯芯を入れ、その上から静かにサラダ油などを注ぎます。
螺灯に点火してみよう
周囲に可燃物がないことを確認し、灯芯に火をつけます。
さざえのトゲのおかげで全体がしっかり安定し、さらに殻表面にべったり触れないため、手で持っても熱くありません。
足場が悪い間歩の中でも、これなら使いやすそうです。これを持った状態で、お魚くわえたドラネコ追っかけてはだしで駆け…るのはやめときましょう。危険です。
ビカァァアッ!と光ってる2個がロウ入り、ちんまり控えめに光ってる1個が食用油入りです。
何となくロウ入りのほうが明るく見えますが、燃焼時間は食用油入りのほうが長かったです。ただ、灯芯の入れ方や油の種類を変えると結果が変わるかもしれません。
さいごに
さざえの殻を使った螺灯は、石見銀山の鉱夫たちにとってなくてはならない道具でした。
貝殻を使ったキャンドルづくりは夏工作の定番ですが、螺灯ならではの安定感は二枚貝では再現できないでしょう。
さざえの殻が余ったら、趣味と実用を兼ねそなえた螺灯を作ってみませんか?
〈参考〉