古代ローマのスイーツ!?アピキウスのスポンジケーキ
みなさんこんにちは、しょっちゅうキッチンで好き勝手やってるアキオカ アヤカです。
せっかくなので国内だけでなく海外のトラベルごはんも作ってみようと思い、図書館でこんな本を借りてきました。
パンケーキの歴史物語(ケン・アルバーラ 著/関根 光宏 訳、2013)
※当記事の引用部分は、すべてこの本からの引用です
この本ではパンケーキの歴史と世界各地のパンケーキ(あるいはパンケーキ的な食べ物)が紹介されており、日本からはお好み焼きやどら焼きがエントリーしています。
あれもこれも再現してみたいところですが、今回は最古のラテン語料理書に載っていたという「アピキウスのスポンジケーキ」を採用しましょう。
上記に当てはまる方もそうでない方も、ぜひお立ち寄りください。
そもそもアピキウスって?
アピキウス(アピシウス)は、古代ローマ(4世紀末~5世紀初頭?)の富裕層向けレシピを記載した料理本です。
「パンケーキの歴史物語」では「アピキウス(1世紀の料理人)が書いたとされる最古のラテン語料理書」と説明されていますが、近年になってアピキウスさんの著作ではないことが明らかになりました。
アピキウスのスポンジケーキ
「パンケーキの歴史物語」では、「アピキウスのスポンジケーキ」として牛乳を使った卵のスポンジケーキ(ova sfongia ex lacte)を紹介しています。
材料は、卵4個、牛乳1ヘミナ(hemina 2分の1パイント、240ミリリットル)、植物油1オンス(約28ミリリットル)。材料を全て混ぜ、油を引いた薄い鉄板で焼く。片面が焼きあがったら裏返し、コショウとはちみつをかけて食べる。
…え、パンケーキにしては材料少なくない??
小麦粉は入っていないので、ふわふわしたオムレツのようなものになる(レシピには「パンケーキではない」と書かれている)。
とりあえず、われわれが連想するスポンジケーキとはかなりかけ離れているようです。さて、どうなることやら…?
アピキウスのスポンジケーキを作ってみよう
今回は、記載されていた量の半量で作ります。
〈材料(2人分)〉
卵…2個
牛乳…120ml
サラダ油…適量
はちみつ、こしょう…適量
タネを作る
ボウルに卵を割り、白身と黄身がしっかり混ざるよう溶きます。
卵が混ざったら、牛乳を加えてさらに混ぜます。
タネを焼く
フライパンに油をひいて弱火~中火であたため、おたま1杯弱くらいのタネを丸く広げます。
古代ローマのキッチンでは現代のガスコンロほどの火力は出せなかったと考えられるため、強火にはしません。
片面が焼きあがったら裏返し…たいところですが、生地がやわらかすぎてヘニョっと曲がってしまうため半分に折りました。
最初に広げるタネの量を減らしてリトライしてみましたが、二次元方向にどんどん広がってアメーバみたいな形になってしまいました…
盛り付け
焼きあがったら皿に載せ、はちみつとコショウをかけて完成です。
…余熱ではちみつが柔らかくなったために天津飯みたいに見えますが、一応スポンジケーキです。
アピキウスのスポンジケーキ実食
天津は…じゃなかった、アピキウスのスポンジケーキを試食してみましょう。
卵の風味にはちみつの甘さが加わり、まるで焼きプリンのような味が感じられます。
ところどころでコショウの辛味が引き締めてくれるので、食べ進めても飽きません。
現在のスポンジケーキとは全く異なるものの、ふわっとした食感はまさにスポンジケーキの先祖と言えるでしょう。
さいごに
最古のラテン語料理本で紹介されていたアピキウスのスポンジケーキには、現代のスポンジケーキに欠かせない小麦粉が入っていません。
そのため現代のスポンジケーキとはかなり異なる仕上がりになりますが、卵の美味しさが強調されて焼プリンに近い味を楽しめます。
つまり、カラメルかけたら美味しいはずです。
もしもう一回作る機会があったら、その時はカラメルを添えてレポートしたいと思います。古代ローマにカラメルなんてなかったやろうけど…
<参考>