【パン&ミルクソース】残ったパンの消費に役立つ、明治時代のレシピ
みなさんこんにちは、しょっちゅうキッチンで好き勝手やってるアキオカ アヤカです。
突然ですが、食パンが半端に余ってます。
常温で置いとくとカビるんで冷蔵庫に入れてるんですが、けっこう場所取るんですよね…
いちおう残りパン消費レシピもあるにはあるんですが、
今日はもっとちゃちゃっと軽食を作りたい気分です…
半端に残ったパンの簡単アレンジレシピ希望
古~いレトロレシピに興味があります
すぐできるブランチとか軽食とかないの?
上記に当てはまる方もそうでない方も、ぜひお立ち寄りください。
明治の料理本「弦斎夫人の料理談」
「弦斎夫人の料理談」は、小説家・村井弦斎の妻にして料理研究家である村井多嘉子(1880~1960)らによる料理本です。
現在のレシピ本のような料理写真などはなく、「記者」と「夫人」の対談を通じて季節の食材のレシピや料理の心得などについて紹介しています。
国立国会図書館から書籍データが無料公開されており、明治時代特有の調理器具やら調理法やらがいろいろ出てきておもしろいです。
●テンピ…オーブンの前身みたいな陶製の調理器具。
●ウシターソース…ウスターソース。
●マイナイス…「my nice」かと思いきや、マヨネーズのことらしい。
●チサナ…「小さな」ではなく、たぶんキャベツ(チシャ)のこと。
●梨の酢煮…梨に砂糖と酢を加えて煮たもの。美味い…かもしれない。
●豚の刺身…生肉食うんかい!と思いきや、かたまり肉をゆでて生醤油で味をつけるらしい。つまりゆで豚?
過去にはタモリ倶楽部で一部のレシピが再現されていましたが、その内容は
イチゴの天ぷら
やら
桃のフライ
といったものでした。
令和の感覚でいうと随分とんがった料理ですが、現代ほど甘くなかった当時の果物を少しでも美味しくしようと試行錯誤した結果と思われます。
パンのソースがけってどんなんやねん?
「弦斎夫人の料理談」第2編には、パンの食べ方やパンを使ったレシピについてのくだりがあります。
で、パン系アレンジレシピの中で一番簡単そうなのがコレでした。
記者「第三日目にはどう致しませうか。
夫人「パンのソースかけが宜うございませう。それは手軽にするとパンを三分位な厚さに切つて、一旦焼いて小さく切つてスープ皿へ入れます。一合の牛乳を煮たててほんの少しの鹽と砂糖を加へたら葛を大匙半分程水で溶いて牛乳に混ぜます。葛がかへつたらそれをパンへかけて出します。葛のかはりに西洋のコンフラワを使へば尚上等ですが、その方はかへる時間が葛の三倍かかります。それからもつと美味しくするには葛がかへつた時玉子の黄身を一つ入れて手早く掻き廻してパンへかけます。
引用元
※大人の事情により、一部の旧字体を新字体で表記しています。あと、右側のカギカッコがないのも原文通りです。
「朝食パン派でも毎日パンと牛乳では飽きるから、いろいろ変化つけてみましょう」的な感じです。
パンのソースがけを作ってみよう
葛粉やコンフラワ(コーンフラワー)がないので、片栗粉で代用しています。
〈材料(1人分)〉
食パン(6枚切り)…1/2枚
牛乳…180ml
砂糖…小さじ1/2くらい(お好みで)
塩…少々
片栗粉…大さじ1/2(同量の水で溶いておく)
卵の黄身…1個分
パンの下ごしらえ
パンを軽くトーストし、焼き目がついたら一口大くらいに切ります。
ソースを作る
小鍋に牛乳を入れて火にかけ、煮立ったらとろ火にして砂糖と塩で味をととのえます。
味が決まったら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけます。
とろみがついたら卵の黄身を入れ、さっとかき混ぜて火を止めます。
パンのソースがけ実食!
深みのある器にパンを入れ、その上からソースをかけていただきます。
気になるお味は
ホットミルクセーキというか、
冷やす前のアイスクリンみたいな感じです。
そこまで食欲がない朝とかに軽く食べるには、ちょうどいいメニューです。
固くなったパンも美味しく食べられるし、味付けを工夫すればお子さまも喜ぶかもしれませんね。
さいごに
これ、蒸し固めてソース部分をプリンっぽくしたらパンプディングになりそうです。
パンプディング作るなら、卵黄だけじゃなくて全卵入れたほうがよさそうですね。
【参考】