【蒟蒻百珍】夏にぴったり!お江戸のレシピ「氷柱(つらら)こんにゃく」
みなさんこんにちは、しょっちゅうキッチンで好き勝手やってるアキオカ アヤカです。
少し前に江戸時代の豆腐レシピ「豆腐百珍」を再現しましたが、今回のテーマは江戸時代のこんにゃくレシピ「蒟蒻百珍」です。
百珍もので扱う食材のほとんどは現代でもリーズナブルに買えるため、コスト面の心配はほとんどありません!
こんにゃくの面白い食べ方を知りたい
お金をかけずに変わったメニューを作ってみたい
余った葛粉を持て余している
上記に当てはまる方もそうでない方も、ぜひお立ち寄りください。
蒟蒻百珍とは?
蒟蒻百珍とは、嗜蒻陳人によって江戸後期(1846年)に書かれた料理本です。
ベストセラー料理本「豆腐百珍」の爆発的人気にあやかって出版された「百珍もの」のひとつであり、こんにゃくをメインとするさまざまなレシピが紹介されています。
蒟蒻百珍では、現代でもおなじみの田楽や煮しめに加えてちょっと変わったレシピがたくさん紹介されています。
そこで、今回は見た目が面白くて家にあるものだけで作れる「氷柱(つらら)」をチョイスしました。
※原本には「氷柱」とのみ書かれていますが、以降は便宜上「氷柱こんにゃく」と表記します。
フリー素材お借りしました(ヘ~ナンさんによる写真ACからの写真)
まず、氷柱こんにゃくのレシピを解読
氷柱こんにゃくを作る前に、まず古文書を解読せねばなりません。
原本は変体仮名とくずし字のオンパレードなので、下記サイトとにらめっこしながら解読しました。途中で「自分はいったい何をやってるんだ?」と思ったことは内緒です。
解読の結果は、以下の通りです。(変体仮名や旧字体を現代表記に直しています)
前方のごとくして(※)大小太細入れまぜくずのこにまぶし煮湯にとふし
調味このみにまかす
ふたもの 平皿 茶わんとよし※…ひとつ前のレシピの切り方(ここでは「細づくり」)を参考にする
これではわけがわからないので、要約してみましょう。
・こんにゃくを細く切る(太さや長さはランダム)
・切ったこんにゃくに葛粉をまぶして熱湯にくぐらせ、好みで味を調える
・蓋もの・平皿・茶碗をはじめ、好きな食器に盛り付ける
玲瓏豆腐の回と同じく、蒟蒻百珍も非常にアバウトな江戸式レシピです。
「細かいことは気にしないで、とりあえず感覚と経験を総動員して作ってみろ」ということですね。
氷柱こんにゃくを作ってみよう
既製品の味付きこんにゃくなどを使ってもよさそうですが、今回はゆでてからごまみそをかけましょう。
〈材料(4人分)〉
こんにゃく…1袋
葛粉…30gくらい
ごまみそ…適量
ごま:砂糖:みそ:水=1:0.7:1:1(好みで七味を少々加える)
こんにゃくを切る
こんにゃくを細長く切り、ザルにあけて水気を切っておきましょう。
今回は、大人の指くらいのサイズにしました。
〈唐突な豆知識〉
近江の赤こんにゃくは、合成着色料ではなく酸化鉄で色をつけています。
こんにゃくに衣をつける
大きめのボウルに、衣となる葛粉を入れます。
大きなかたまりになっている場合は、すりこ木などで細かくしておきましょう。
葛粉にこんにゃくを入れ、全体になじませます。
ごまみそを作る
耐熱皿にごまみその材料をすべて入れて混ぜ、少しレンジで加熱してから冷ましておきます。
こんにゃくをゆでる
鍋にたっぷりのお湯をわかし、少しずつこんにゃくを入れてゆでます。
衣が透明になったら、鍋から引き上げて冷ましましょう。
こんにゃくが十分に冷めたら、適量をとって器に盛りつけます。
食べる直前に、ごまみそをかけましょう。
いざ、氷柱こんにゃく実食!
まず、「氷柱」の名にふさわしい涼しげな見た目を堪能しましょう。
溶けかかったつららのようにも見えますが、かえってリアルなみずみずしさが感じられます。
葛餅ほどのモチィッと感はないものの、衣の凹凸にごまみそがよくからんで濃厚な味わいを楽しめます。
氷柱こんにゃくアレンジいろいろ
その日の献立や気分に合わせて、好きなように楽しみましょう。
下に行くほど江戸らしさが薄れますが、気にしない気にしない!
・お酒のつまみや、さっぱりしたおかずが欲しいときは……梅肉+おかか
・韓国料理のおともに……ごま油+塩
・洋風メニューのおともに……オリーブオイル+刻みにんにく(またはにんにくチューブ)+刻みバジル+塩こしょう
まとめ
江戸っ子たちも楽しんだ氷柱こんにゃくは、こんにゃくと葛粉が主体のシンプルな料理です。
アイデア次第でどんな料理にもマッチするので、ぜひお気に入りの味を試してみましょう。
今回は赤こんにゃくを使いましたが、氷柱らしさを強調したいなら白こんにゃくのほうがいいかもしれません…。